社員の成長に身に付けておきたい3つのスキル ~社員編~

身に付けたいスキル

社員の成長に身に付けておきたい3つのスキル ~社員編~

社員に対して業務遂行を身をもって体験させることが、大きく早く成長させる何よりも一番の方法と考える方は多いのではないでしょうか。

確かに間違いではありませんが、業務遂行を行うにあたって円滑に取り組めるような必要最低限のスキルを身に付けていない状態で業務に当たれば、社員は路頭に迷い、業務遂行スピードが落ちるばかりか本来の目標とは違った方向へのアウトプットが出かねません。

業務を行う上で必要最低限のスキルをインプットした上で、積極的に業務に活用することで自分のスキルとなります。ここでは身に付けて活用すると有効なスキルを紹介します。

<身に付けておくと有効な3つのスキル>
1.問題解決力
2.ファシリテーション技術
3.計画立案・実行力

これらのスキルは会社組織の中で、中堅層や管理職あれば当たり前のように要求されます。逆を返すと早い段階で身につけていれば、早く昇格、昇進しても十分に業務遂行ができます。

問題解決力

問題解決力は社員の成長を妨げる要因を見つけ出して解決し、成長を停滞させることを防ぎます。

日常において、問題事象は身の回りにたくさん存在しています。問題を避けていては業務遂行はおろか成長もできません。社員の身に降りかかってくる問題を如何に社員自身で解決するかが業務遂行に影響を与え成長にも繋がります。

問題解決には、上辺だけの解決では同じ問題の再発が懸念されます。本当の問題解決は問題の真因を突き止めたうえで対策を講じることです。

その為に
a.問題を問題として認識する「問題発見力」
b.問題事象の真因を深く探る論理的思考(ロジカルシンキング)
c.問題の原因に対して解決策を考案する発想力とそれを実行する実行力
が必要となります。

●問題を問題として認識する「問題発見力」

問題を問題として認識できないと、円滑な組織運営はできず効率的な業務遂行や会社業績向上には繋がりません。当然ですが個人への報酬という還元も期待できなくなってしまいます。

どんな仕事においても問題は存在します。そして大きな問題は問題として認識することはもちろんのこと、どんなに小さな問題も問題として捉えておかなければ、その小さな問題に潜在的に潜んでいる大きな問題がいつ表面化してもおかしくありません。

そのような大きな問題が発生する前に、目の前に顕在化している問題から本質的な問題が何であるかを見つける習慣作りが重要です。

問題を発見する方法としては、目の前に発生している事象をもっとよくするためには何をしたらよいか。よくするために支障となるものは何かという思考で問題に辿り着きます。

●問題事象の真因を深く探る論理的思考(ロジカルシンキング)

目の前の問題事象を認識したら次にその真因を探します。その真因に辿り着くことができなければ、問題解決は対症療法的な改善にしかならず、やがて時間経過とともに同じ問題は発生します。問題事象の真因が何であるかは、その事象に関係ある情報を集め時系列に並べ、そこから見えてくる「怪しい点」に着目し、仮説を立てて真因が何であるかを立証していきます。

<手順>
1.関連情報を時系列に並べる。(いつ誰が何をどのようにして実行した)
2.それを実行して何を達成したかったのかを明らかにする。
3.仮説による検証。
4.視点を変えて同じ事象を見てみる。
例:(事象)忘れ物をした
視点
・何で忘れた? ⇒ うっかりしていた
・どうしたら忘れなかった? ⇒ 前の晩にカバンに入れておけばよかった。
・忘れたらどうなる? ⇒ 仕事にならない(絶対に忘れられない)

結論:「絶対忘れないためには、前日の準備を欠かさないこと」に繋がります。

論理的思考は上記の手順を理解し、身近な小さな事象から練習することで身に付きます。

●問題の原因に対して解決策を考案する発想力とそれを実行する実行力

昔からの常識やしがらみにとらわれることなく、シンプルにどうしたら解決できるかアイディアをいくつか出します。仮に前提条件を多く出してしまうと実効性のある良いアイディアは生まれませんので、出来る出来ないに関係なく大胆なアイディアを出してみましょう。発言することに関しては自由ですので。

次にいくつか出したアイディアのメリット、デメリットを評価しランク付けします。その上位ランクより実行するストーリーを作り、実行に当たり何が障害となるか明らかにし実効性の観点から最終的な実行案を決定し実行します。

ファシリテーション技術

ファシリテーション技術は、会議やミーティングを円滑に進める方法で会議で出された意見を集約し合意形成に繋げる技術です。

問題事象の内容によっては、一人で解決できない場合には関係者との話し合いが必要となる場合があります。当然、参加者が複数人となってくると様々な意見が出されることによってまとめることが困難となります。

ファシリテーションを司る側としては主に会議の進行役として振舞い、傾聴の姿勢で参加者からの多種多様な意見やアイディアを引き出し、組織やグループでの意思決定を効率よく実施します。

重要なポイントしては
・傾聴の姿勢に徹する: 多様な意見を引き出すため
・出された意見に対して否定しない: 否定すると誰も何も言わなくなってしまう
・中立的な立場に終始する: 発言力のある人の意見に流されないように

また会議の中で利用される手法としては以下の3つがあります。
・ブレインストーミング(Brainstorming)
グループミーティングで各自の頭の中にある考えを自由に出し合い話し合うことで
解決策を見つける手法です。出された意見は否定せずに、多くの意見を引き出しグル
ープ内での最適な結論に導きます。ファシリテーションでのスタンダードな手法とい
えるでしょう。

・SWOT分析(Strength:強み、Weakness:弱み、Oppotunity:機会、Threet:リスク)
自分自身の強みや専門知識、高い技術力(強み)とスキル不足や限られた資金での活
動制限(弱み)、新しい環境や条件での活躍機会(機会)、目標を妨げるような経済
的要因、ライバル、法規制(脅威)の4つの要素をリストアップし、それぞれの特徴
を活かした戦略を打ち出す方法です。

・グループディスカッション
ファシリテーションにおけるグループディスカッションの目的は、上記のブレインス
トーミングとSWOTなどの問題解決手法を実践するのに活用されるやり方です。一
人でも実施はできますが、一人だけでの発想力は限りがあります。また、グループデ
ィスカッションに匹敵する発想数を得ようとしたら膨大な時間を要してしまいますの
で、グループディスカッションは効率的な意見集約方法と言えるでしょう。

もっと具体的な内容は下記をご覧ください。
ファシリテーションの基本的な手法3選

プランニング力

自分が遂行する業務を実行性のある具体的な計画を立案し業務遂行にあたることが、目標に対してブレずに、計画的に目標達成する手段です。

計画がおろそかであると、行き当たりばったりの業務対応となり、いつまで経っても目標達成はできません。目標を達成するにはどのような項目があるのか、その項目を実行するにはどのくらいの時間を要するのか、他業務との兼ね合いで停滞することはないか、条件は何かを計画段階で見極めます。不測な事態が発生しても対応できるよう目標は余裕を持たせておくこと、計画は悲観的に作成し、実行は楽観的に考えるようにすると余裕をもった業務遂行ができます。

業務遂行はPDCAで管理します。PDCAとはPlan:計画、Do:実行、Check:確認、Action:実行の略です。PDCAの一番最初にPlanがあることは重要な意味があります。それは、しっかりした計画なくして成功はしないからです。

必要なスキルの効率的な身に付け方

今までに述べてきたスキルをすぐに実行しようとしても、実際にどうやればいいの?という疑問が湧くと思います。また文章で記載した内容を理解したとしても実際に出来るかどうかは分かりません。私自身が新しいスキルを手に入れる時に必ず行うのが、

1.自己啓発本やe-Learning、外部講習などで基本的な知識をインプットする
2.インプットした知識を自分の感覚で実践で試してみる
3.上手く行かなかったところは原因を分析し改善を試みて再度試してみる

1~3を繰り返すことで自分の体内に刷り込まれ、”自分のモノ”になっていきます。

まとめ

社員に業務を遂行してもらう前に必要なスキルの導入部分を与えることは、今度の成長度合いに大きく影響します。以上に挙げたスキルの導入部分をインプットし、実践でどんどん活用していくことで、スキルが磨かれ、社員は成長していきます。

あなた自身にも、その成長度合いが実感でき社員を育てることにやりがいを感じることができるでしょう。

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