社員の成長に欠かせない5つの基本スタイル
社員に対しては成長して業務ができるようになり、業務全般を安心して任せられる人財になってもらいたいといった将来像を描いているかと思います。
しかし、成長を急ぐあまり、独り立ちをして業務を行うのに必要なスキルを身につける機会を与えないこと、また誤った方法で経験を重ねさせることで、逆に成長のスピードを落としてしまったり、ネガティブ要素の強い社員を育ててしまうことに繋がりかねません。
そのことに気づき正そうとしても、そのやり方で何年も業務を行ってきた社員を変えることは難しいことです。
業務に対して正しい姿勢で接し、業務を遂行させることで日々の経験を正しく積み重ねさせ磨いていくことが、周囲から求められる社員に成長していく基本スタンスです。
そこで業務へ向き合う正しいスタイルを紹介します。
・社員に興味を持って接すること
・傾聴の姿勢に徹すること
・自分事として考える習慣作りをサポートする
・向上心を持つことを意識させる
・基礎力を身に付けさせる
社員に興味を持って接すること
社員に興味を持って接することは、あなたが社員にとってプラスの存在として認識させ、”心”を開いてもらうことに繋がります。
ところで、あなたは社員に日頃から声を掛けしていますか?社員のちょっとした変化に気付いてあげることができていますか?気付いているなら、何故そのような変化が社員に起こっているか考えていますか?
そのちょっとした変化に気付き、社員に声掛けしてあげることで社員はあなたからの「ちゃんと見ているよ」という肯定的なメッセージを受け取り安心感を覚えます。
肯定的な安心感を与えることは、この次に説明する「傾聴の姿勢」を効果的にさせるための前準備でもあります。
どのように声掛けしたらよいのか。。と悩んでいても社員に関するポジティブな内容であればジャンルは問いません。
例
・この資料よくできているね。相当苦労したんじゃないの?ありがとう
・最近よく挨拶してくれるね。ありがとう。お蔭であなたから元気を貰うことができるよ
・最近元気ないね。何かあったの?もし思い悩んでいることがあるならね
ポイントは、相手の良いところを探し出しさりげなく言ってあげることです。
またネガティブになりそうな内容でも、ポジティブ方向に向くような話し方をします。
社員に興味を持って接することにより、ポジティブな存在として社員から認めてもらい、どんなことでも話しあうことができ、あなたの言うことも聞いてくれる信頼関係を構築する第一歩なのです。
傾聴の姿勢に徹すること
「傾聴の姿勢」は社員との信頼関係を築くための姿勢です。
あるテーマや出来事に対して質問形式で社員に問いかけて社員からの意見を聞きます。その時、あなたが喋るより社員にたくさん喋ってもらうことに注力し、集中し、社員からの発言には否定せずに相槌を打ちながら、時には復唱し、相手に寄り添う共感的な理解を示すことで相手との距離がだんだん近くなっていきます。
人は話を聞いてもらい肯定されると、あなたを「良き理解者」と認識しあなたとの距離を縮め、社員の心の奥深くにある本音を話すようになってくれます。その本音から社員が抱いている懸念や不安が何であるか理解してあげて、解決のための方法と業務遂行の成功プランを一緒に考えてあげ背中を押してあげます。
傾聴の姿勢は、信頼関係の構築によって社員の心の内の心配事や悩み、ネガティブ要素を引き出し、成功するプランを社員自ら考え実行させ、成功体験を積ませることで成長に繋げる姿勢です。
自分事として考える習慣作りをサポートする
よく、目の前に問題が起こっていても、「自分の仕事じゃない」などと一線を引き見向きをしない社員を見受けます。確かに配属部署や上司から指示されている業務内容からしたら守備範囲外なのかもしれません。
他人がその仕事をするにしても、その問題を目の当たりに見ている社員が自分に出来ることは何かを考え、実際に業務を遂行する人にお膳立てし渡してあげることが出来れば、社員自体の経験値があがり成長に繋がります。会社にとっても問題事象を迅速に解決できることで損失を最小限に抑えることができ、お膳立てして業務を渡した相手との人間関係も良くなります。
まさに「自分事として考える」習慣を社員に植え付けることです。
自分事として考えることとは
「自分が物事に責任を負う立場と認識し他人任せにせず主体的に行動すること」
です。
主体的に責任感をもって業務遂行することによって、他人事主義の社員より格段に多くの業務経験を積み上げることができ、大きく・早く成長できますし、上司からも評価され、給料アップ、モチベーション向上につながります。
実際に自分事として考える習慣を作る方法として
・社員にこれから遂行しようとしている業務の最終形(あるべき姿)を述べてもらう
・最終形に到達するためのプランを考案し実行に移す
・最終形からかけ離れていないか途中経過を確認し、場合によっては軌道修正を促す
業務遂行プランを自分の言葉で述べてもらい実行することで、自然と社員に責任感(=自分事)が湧きます。その後は成功するように見守るだけです。
ポイントして最初から大きな業務を任せるのでなく、比較的容易に成功体験が積める小さな業務から任せ、次第に大きな仕事を任せていきます。
何度も成功体験を積んで、しっかりした判断ができるようになったら大きなプロジェクト業務全てを一からまかせるのも良いかもしれません。
さらに途中で発覚したミスは、成長のための”糧”とし失敗したことに対して責めたりはしないことです。「あなたがもう一歩大きく成長できるための課題がでてきたね」などとポジティブな言い回しでミスをミスと言わない方法も社員のモチベーションを下げさせないテクニックの一つです。
自分事として考える習慣作りは、会社組織にとっても社員個人にとっても、組織の健全化を図ることができ、共に成長できる習慣を作り上げます。
向上心を持つことを意識させる
何ごとも向上心が無ければ、その場凌ぎの適当な業務遂行となってしまいます。気持ちの入っていない業務はミスに繋がりやすく、ミスが発生した場合には後戻り作業や状況の悪化などで会社に損害を与えるばかりか、社員の評価にも良い影響は与えません。
どんな簡単な業務でも、それを通して自分がどうなりたいかといった向上心を持つことによって意味あるものとなります。
コピー取りを例にして言うと
1.コピー取りによってコピー機操作に詳しくなる
2.コピー機能を利用したFax、印刷などの複合機能にも容易に対応できるようになる
3.セッティングやトラブルに長けるようになり、いざという時に周囲から頼られる
人から頼られるということは、その人が対応できるスキルをもっていると認められていることであります。
さらにPCのセッティングを含めたオフィス機器の取り扱いを習熟することにより、現在の所属部門から全くの畑違いのIT担当への抜擢など新しい道が開ける可能性もあります。
このようにどんな業務や雑用でも、それを通して自分がどうなりたいかと意識を持つことによって意味あるものとなりますし、行動した暁には社員自身で成長を感じることができます。
成長を自分自身で感じられるようになった社員は、上司の指示がなくても積極的に取り組む姿勢を見せてくれ、もっともっと成長したいという向上心を発揮してくれます。
向上心をもっての業務対応を普段から意識させ、社員に大きな成長を掴んでもらいたいものですね。
基礎力を身に付けさせる
ここでの「基礎力」は社会生活において備えておく必要のあるものです。
業務の遂行においては、どんなにデジタル化および在宅勤務が主流になったとしても最終的には人対人になります。人と業務を行っていくにあたり、基礎力は必要不可欠です。
<基礎力>
・あいさつ
・身だしなみ
・言葉遣い
・雑談力
基礎力をもって対応されている方は、相手に良い印象を与えます。
あいさつは、おはようやお疲れ様ですなどの声掛けで相手と親しくなるための第一歩といえるでしょう。
身だしなみによる清潔感はあ体に良い印象を与えます。
言葉遣いは目上の方には敬語をしっかり使い話すことで尊重していることを伝えます。
雑談力は最近の話題などで話を盛り上げ、互いに共感を得る関係を築き上げます。
これらの基礎力で相手に与える良い印象が社員同士の信頼向上に繋がり、仲間が増え、業務遂行に良い影響を与えてくれます。
新入社員に対してマナー研修を実施するのはこうした理由もあるからでしょう。
まとめ
社員の成長には、社員一人一人に興味をもつことからです。
興味をもって接し、傾聴、自分事、向上心、基礎力を意識させることにょって、上司の想いが伝わりしっかり育ってくれます。
この5つの基本スタイルを習慣づけることで、社員が当然のように成長していく職場環境に変わっていきますので、あなたもこの5つの基本スタイルを実践してみてください。
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